GMなしの人狼ゲームはつまらない
最近、特に思う。
友達と集まって人狼をやるとき。
飲み会の余興ついでに人狼をやるとき。
私の周りだとスマホのアプリ「人狼ゲーム〜牢獄の悪夢〜」を使って遊ぶことが多い。
このアプリがあればGMは必要ない。
スマホを回しながら全員参加の人狼ができるから、その点は素晴らしく良いと思う。
だけど、絶対に難がある。
まず、昼の討論時間。
一応タイマーがあるけど、まず守らない。
時間が来てもなんやかんやと喋りたがる。
酒が入ってたりすると尚更だ。
そうなるとどうしても村陣営に有利になる。
話し合う時間が長引くほど、情報は増えていく。
嘘をつく側の人狼陣営はやがて疲れてしまう。
投票時間。
ここが特に頂けない。
GMがいないから、掛け声とともにみんなで一斉に指を指すとか、村の立場を考えたプレイはできない。
順番にスマホを回し、投票していくのみだ。
これだと順番が後方の者に有利である。
票の入り具合を見て、票を重ねたり、散らしたりして操作できる。
人狼が後方に固まっていたりすると特に村陣営は不利だ。
また、最近はバージョンアップしたからか?誰が誰に投票したかを画面上で知ることが出来るが、ちょっと前のやつだとそれが出来ない。
この部分は村陣営に非常に不利である。
昼間の言動や態度だけで推理しなくてはならない。
投票行動から情報を集めることが出来ない。
夜のターンについても難がある。
順番に回ってくるスマホを操作し、次の者に回す。
このときに操作ミスが起きやすい。
占い師は占う対象を間違えたり。
霊媒師は白黒の判定結果を見忘れたり。
狩人は護衛先を間違えたり。
人狼は初回の役決め時に、誰が仲間なのかを確認し忘れたり。
そんなくだらないけど困ったことが、結構な確率で起きる。
ニコ生の人狼プレミアムチャンネルなどを見ていても、事故は起きた。
ゲームの性質上、一つ前の画面には戻れない。
気づいたときには、別の誰かのための画面に切り替わっていることがほとんどだ。
さらに、人狼に限ってのことだが、襲撃先を相談することができない。
スマホの巡ってくる順番が、最後の人狼が決定を下すわけだけど、
その決定者が経験が浅いと「良い」咬み先を選べない。
一応、順番が前のほうにいる人狼は「なんとなく〇〇さんを襲撃しよう」とか「〇〇さんを殺さないと危険」とか、それなりの意思表示は出来るようになっているが、決定を下すのはあくまで最後尾にいる人狼である。
他者の意見を汲み取れる者もいれば、そうでない者もいる。
敢えて意見を突っ撥ねる者もいる。
こうなると仲間意識は低下していく。
成り行きを見守るような、受身のゲームになりやすい。
また、夜のターンではスマホが巡ってくるまでの間、基本的には皆、顔を伏せていないものだ。
雑談もするし、昼の議論を引っ張る者すらいる。
それを指摘する者がいれば良いが、そんなところに無駄なエネルギーを使っていては貴重な推理時間が減らされてしまう。
やはり、このゲームには良質なGMが不可欠だ。
アルティメット人狼のような手練れが揃っていて、ほっといても回せるようなメンツでも、夜のターンではやはり機転の利くGMが活躍している。
GMがいるから安心して遊べる。
集中して考えをめぐらせることができる。
ルールが理解できていない者のフォローや、違反者への追及もGMがしてくれる。
絶対に上達したくない人はともかく、人狼ゲームにハマった人は少なからず上達したいだろう。
上達するためにはガチでやるべきだ。
食べたり飲んだりしながらするような類のものではない。
ピリピリしていたっていい。
むしろその緊張感は大切だ。
記憶力と推理力を駆使して、常に頭はフル回転させる。
そこにくだらない労力を使ってはいけない。
人狼ゲームは「ゲーム」という名前がついているから、和気あいあい、皆で楽しむイメージがある。
確かに、一定のルールを覚え、それなりに経験を積んだ者同士ならそれも当てはまるかもしれない。
しかし、これは得てして人が集まらないと成立しないものである。
人数が増えれば役職が増やせるので、内容はより複雑で面白いものにできる。
面白くしたいから経験者は初心者を混ぜたがる。
そういう性格もあって、初対面の者が顔をあわせることは多い。
当然、経験値と実力差は出てくる。
だからこそ、そこに一つの秩序が必要になる。
ゲームの世界を絶対に壊さない、頼もしいGMが、その秩序そのものだ。
一つの格闘技、競技として扱われるようになればいい。
リーグ戦にして、最終的に自分が所属した陣営でどれだけ勝てたか、勝ち点を競う。
勿論、どの試合もGMが取り仕切ることにする。
野球やサッカーと違い、人狼ゲームは常に同じチームで戦うものではないけど。
GMがビシッと仕切る、そういうガチな存在があっても良いと思う。